屋根裏文庫 少しでもみんなの人生が楽になれば

公務員のお仕事は業績評価が難しいため、働かないことを選ぶ人が増えてしまう構造になっています。

公務員

  • 公務員に就職・転職したい。
  • 公務員になるからにはそこそこ出世したい。
  • 出世して、自分のやりたいことを実現して良い社会にしたい。

新型コロナウイルスによる経済活動の自粛の影響はすさまじく、
就職先としての「公務員」人気は安定して高いです。

また、この社会を良くして困っている人を助けたいという、
こころざしの高い若者もまだ一定数存在しており、
そういう方々の就職先のひとつとしても公務員は人気です。

公務員になって出世して、えらくなって、
そして世の中を変えたい。
果たしてそんな夢は叶えられるのでしょうか。
熱意をもって働き続けることができるのでしょうか。
リアルな現状をお伝えできればと思います。

知っておいてほしいポイント

  • 安定的に昇給していきますが、働かない人も含めて昇給幅はほぼ同じです。
  • 試験制を導入しているところは係長までは頑張り次第ですが、それ以降は報われない可能性もあります。
  • 社会には声の大きい人がたくさんいます。組織に属する限り、自分の思い通りにいくことはないです。

私は公務員として市役所に就職し、
そこそこ働きたくて昇任試験を受けて係長になり、
自分で言うのもなんですが、そこそこの働きを見せていたと思います。

その数年後、この組織と、そこで働く人たちのために、
自分の貴重な時間を費やすことが嫌になり、公務員を辞めました。

しっかり働き、良い面と悪い面の両方を感じることができたからこそ、
特にこれから公務員になろうとしている人、
もしくは公務員になってあまり時間がたっていない若手のみなさんに、
あらかじめ知っておいて欲しいことがあります。

安定的に昇給していきますが、働かない人も含めて昇給幅はほぼ同じです。


公務員になってしまえば、相当なコンプラ案件をやってしまうか、
大量の病休を使わない限りは定期的に昇給していきます。

正直何かやらかしても昇給幅が少なくなるだけで、
全く昇給しないことはほとんどないです。

私が公務員だったころの給与を公開しているので、そちらも是非ご参照ください。
【必見】公務員20代1年目の年収・月収(初任給)を公開。定期昇給も解説します(10年目~年代別も)

公務員も民間と同様、高い評価がつけられれば、翌年の昇給幅が増える制度はあります。
例えば毎年4号級上がるところを、前年の評価が高いため翌年は6号級上がる、といった制度です。

しかし、高い成績を収めて高い昇給幅を得ることはほとんどありません。

なぜなら物を売る仕事なら売り上げなどで客観的に評価できますが、
公務員は事務的な調整などの仕事が多く、評価がしづらいです。

例えば今年は地域団体と調整し、新たな地域イベントの創出を行った場合、
その地域イベントの規模がどれくらいで、どれくらい効果があったのかが図りづらいです。
しかも「地域の世代間の交流を増やす」という効果が期待されていたりすると、
それが達成されたのか客観的に図るのは困難ですし、すぐに効果が表れるものでもありません。

結果として「新しいことをやってみた」こと自体での評価となります。
定例的な業務をどんなに一生懸命やろうと、それでプラス評価を受けるのは難しいです。
すると躍起になって新しいイベントや補助金などを無駄に作ろうとする人たちも出てきます。

戸籍や保険、年金といった定例的な窓口業務に配属されてしまうと、
どんなに頑張っても評価を受けることは難しいです。

上司が部下を正しく評価することなんてできないですし、
結果、ほとんどみんなに高い成績が回るように、
半期ごとに順番に高い成績をつけていくことが横行されます。

そして大部分が普通の評価をつけられ、普通の定期昇給幅です。
どんなに頑張って仕事をしても、仕事をほとんどしなかった人間と同じ評価を受けますし、
場合によっては順番だからと、自分より働かなかった人間が評価されることもあります。

その結果、じゃあ働かなきゃいいじゃん?ってなってしまいます。
そして実際に働かなくても公務員は給料は入るので、働かない人間が増えていきます。

業務レベルが低くても問題ないようなひどい職場では、働かないベテラン職員が次々に配属され、
たまたま配属された「仕事をする若手職員」で職場を支えるという構図が増えていきます。
上司としても、動きのいい若手職員の方が圧倒的に使いやすいですし。

しかし給料は新人とベテランの間で2倍近く違うこともあり、理不尽さをかなり感じます。

もし公務員になってばりばり働きたいと考えているならば、
この理不尽さには耐えきらないといけません。

試験制を導入しているところは係長までは頑張り次第ですが、それ以降は報われない可能性もあります。


係長への昇進が試験制を取っている場合、自分の頑張り次第で若いうちに係長になれます。
東京都や特別区、横浜市など、だいたいの都市部の自治体は試験制を導入しています。

これは自動的に主任、係長、課長補佐、課長…と上がっていくよりも、
周りとの差別化を図りやすく、自分のモチベーションも保ちやすいです。

ただし、係長になったあとの課長補佐、課長…は試験制でなく能力・業績による評価での昇進なので、
自分の頑張りとの関係性からは離れていきます。

そもそも公務員の仕事は、物を売るような仕事と違って成果を客観的に図りづらく、
上司が正しく部下の成績を評価することなんてできていません。

部署内で順番に良い成績をつけてあげたり、
コンプラレベルのミスや、長い病休を取った際に成績を下げるくらいです。

なので、あとは偶然新しいことを立ち上げる部署に配属されたり、
総務、財政、政策といった評価を受けやすい部署に配属されたりして、
高評価をときどき受けていて、低評価を受けるような問題を起こしていなければ、
経験年数を積んでいけば、自然と課長まで昇進していきます。

さらに昇進の話をすると、現在女性の責任職比率を上げようとしているため、
異常なほどに女性ばかり出世していきます。

もしあなたが女性ならば、かなりのチャンスかと思うので、
是非チャレンジするべきだと思います。

評価を受けやすい部署であれば、頑張ったぶんだけ(その成果があったかは別として)評価を受ける可能性はあります。
しかしどんなに頑張っても評価を受けられない可能性の方が大きいです。

もし男性ならば、どんなに仕事を頑張っても出世できない報われない可能性は飲み込んでおいた方が良いです。

社会には声の大きい人がたくさんいます。組織に属する限り、自分の思い通りにいくことはないです。


公務員として仕事をしていくと、偉い人に会う機会は多いです。

株式会社の社長や社会福祉法人の理事長、各種協会や各種団体の会長、地域の自治会長など、
様々なお偉いさんとやり取りする機会が出てきます。

この中には長いことその役職についていて、一般的には老害といわれるような立ち振る舞いで、
自分が思うようにいかないと騒ぎ立てるような人間もいます。

そして行政側も、変にめんどくさいことに巻き込まれるくらいなら、
そういう人たちの声に寄り添ったりすることも多いです。

また議員の先生への対応も非常に難しいです。

常任委員会や議会の場での質疑に関わるようなことになると、
行政の課長や部長以上はめんどくさいことに発展することもあるので、
トラブルを避けようと、できるだけ議員に寄り添ったりします。

自分が偉くなってそういう構造を打破したいと思うかもしれませんが、
あなたひとりが頑張ったところで、周りがそうでなければあなたが干されて終了です。

こういった理由から、どんなに偉くなったところで、
自分の思い通りにいくことはないです。
むしろ、偉くなればなるほど、この構造に巻き込まれやすく、
悩む場面が増えるかと思います。

■まとめ

いかがでしたか?

長期的には安定した職業であるため、
それだけを見れば申し分ない職業かと思います。

ただし、何かを成し遂げようとしてなる職業ではないと思います。
どんなに仕事を頑張っても、報われないことの方が多いです。

これは他の職業、会社員にも言えることではあるので、
よく見極めて職業選択していただけると良いと思います。